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感染制御・検査診断学

活動紹介

地域ネットワーク

要約

現在、東北地域の感染対策の向上を目的に、東北感染制御ネットワークが設立され活動を行っている。本ネットワークは、東北大学大学院感染制御・検査診断学分野を事務局として、1999年11月に宮城県内の31医療施設が参加した宮城感染コントロール研究会がその前身となり、さらに東北地域に活動することを目的として、東北感染制御ネットワークと発展している。基幹病院・地域中核病院だけでなく、社会福祉施設や専門機関、行政機関が参加していることと、各施設の病院長・施設長をはじめ、感染対策委員長、各施設のICTメンバー、医師、看護師、薬剤師、検査技師、清掃関連職員、事務、老健施設・在宅ケア関係者、行政担当者など幅広い職域が参加している。

定期的に開催される感染対策講習会では最新情報の紹介、ネットワーク参加各施設における感染症対策の取り組みの紹介などがあり、毎回多くの参加がある。2008年8月30日・31日の東北感染制御ネットワークフォーラムでは900名以上が参加し、最新のトピックスに加え、各種ワークショップやベーシックレクチャーなどが開催された。

現在、東北感染制御ネットワークでは、上記のような各種講習会やセミナーの開催に加え、地域の専門家による抗菌薬ガイドラインや消毒薬ガイドラインなどを策定・配布し、手指衛生やマスクなどPPEの着用や、SARS(重症呼吸器症候群)、天然痘、パンデミックインフルエンザなど、地域で重大な感染症に関するビデオマニュアルの作成などにより、地域の現状に即した現場からの情報の共有を行っている。

また、感染対策に関わる現場における問題点の抽出や解決を目的として、施設ラウンドを実施している。ラウンドの対象は、大学病院や基幹病院だけでなく、診療所、社会福祉施設など多岐にわたる。施設ラウンドは第三者の専門家からの意見により、施設の改善活動が行い易くなる利点もあり、それぞれのリスクとリソースに応じた対応を行っている。

また、厚生局や地域の保健所をはじめとする行政当局は、すべての医療施設における保健福祉活動を日々行っていることから、感染対策における役割も大きい。平成17年度から毎年東北6県の基幹病院において、適切な情報の共有を目的として、保健所職員を対象とした感染対策に関わる施設ラウンドを含めた実地研修会を開催している。そのなかで医療施設における効果的な感染対策の構築のために、すべての施設に行う必要のある感染制御のポイントについて啓発を行っている。

加えて、感染症は社会における大きな関心があることから、子供たちを対象とした「キッズ感染セミナー」やマスコミとのワークショップの開催などを通じて社会における適切な情報の共有を行っている。

これらの地域の感染対策の充実を目的とした東北感染制御ネットワークの取り組みは始まったばかりであるものの、今後、益々の発展が期待されている。