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| 氏名 | 講師 徳田 浩一 |
|---|---|
| 出身大学 | 鹿児島大学 |
| 出身地 | 鹿児島県 |
| 専門分野 | 感染症学 感染制御学 小児科学 |
| 所属学会 | 日本感染症学会 日本小児科学会 日本小児感染症学会 日本環境感染学会 日本細菌学会 |
| 専門医など | 感染症専門医 小児科専門医 インフェクションコントロールドクター(ICD) |
| その他 | Master of Public Health |
1. 下痢原性大腸菌(Diarrheagenic Escherichia coli)の病原因子
2. ヒブワクチン導入前後のインフルエンザ菌莢膜遺伝子重複と抗体親和力の研究
1. 下痢原性大腸菌の中でも腸管凝集性大腸菌(EAEC)を主な対象として研究を行っている。EAECは転写因子AggRに制御されるregulonを持つtypical EAECと持たないatypical EAECに分類されるが、これまで報告された病原遺伝子はほとんどがtypical EAECのものであり、atypical EAECについてはまだ研究が進んでいない。そこで、下痢症患者から検出された大腸菌を対象として、マイクロタイタープレートを用いた簡便なスクリーニング法とHEp細胞付着試験の組み合わせによりEAECを検出し、PCR法による病原因子の解析やパルスフィールド電気泳動法による遺伝子型の検討などを行うことによって、日本におけるEAECの疫学を研究している。
2. インフルエンザ菌b型(Hib)は現在本邦において、細菌性髄膜炎の最も頻度の高い起炎菌となっている。本邦では2008年末よりHibワクチンが開始されたが、主に1990年代に導入された西欧諸国では、近年vaccine failureが報告され、これにはHib莢膜遺伝子capb領域の3コピー以上の重複による細菌側要因と、抗体のavidity低下による宿主側要因が関連するとされている。我々は、PFGEやSouthern blotting、ELISA、チオシアン酸塩溶出法などの手法を用いて1) 、2) の研究を行っている。
1) ワクチン導入前後における、細菌側要因としてのcapb領域多様性の変遷
2) ワクチン導入前後における、宿主側要因としての抗体avidityの変遷
ワクチン導入によりvaccine failureに影響するHibが選択的に増加する可能性もあり、本邦のみならず世界的なワクチン計画上の課題として、上記2つの要因の継続的な調査と解析が必要と考えられる。Hibワクチンにより、今後患者の減少が期待されるが、vaccine failureの要因を解明し、ワクチン対策に応用することによって、患者発生を最小限に阻止することが期待される。