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感染制御・検査診断学

教室員紹介

プロフィール

氏名助教 山田 充啓
出身大学東北大学
出身地東京都
専門分野呼吸器内科
肺感染症
所属学会日本内科学会
日本呼吸器学会
日本感染症学会
American Thoracic Society
専門医など日本内科学会内科専門医
受賞歴 2003年 東北大学医学部奨学賞 銀賞 受賞

2004年 第23回 Respiratory Cell and Molecular Biology研究会 助成対象優秀論文 受賞

2005年 第94回 臨床呼吸生理研究会奨励賞 受賞
競争的獲得研究資金・助成金

2005年 日本学術振興会 平成17年度 科学研究費補助金 若手研究(B)

2005年 中山科学振興財団 平成17年度 海外渡航助成金
2005 年 かなえ医薬振興財団 第34回 海外留学助成金
2006 年 日本学術振興会 平成18年度 海外特別研究員

研究テーマ

肺感染症における微生物と宿主の相互作用の解析
急性肺傷害における傷害と修復に関わるメディエーターの解析
肺組織固有幹細胞の肺疾患における役割の解析

研究テーマ

マウス細菌性肺炎モデルにおける好中球によるIFN-gamma産生ーその新規産生機序と役割ー

IFN-gammaは生体防御および免疫において多くの重要な作用を持つサイトカインである。我々は細菌性肺炎におけるIFN-gammaの産生・役割について解析を行った。マウスに経気道的に細菌を投与し、肺炎モデルを作製した。グラム陽性球菌である肺炎球菌・ブドウ球菌は肺炎急性期(投与後24時間後)での肺白血球におけるIFN-gamma蛋白の産生を誘導したが、グラム陰性桿菌である大腸菌・緑膿菌は有意にIFN-gammaの産生を誘導しなかった。IFN-gammaを産生している白血球は大多数が好中球であった。遺伝子欠損マウスを使った解析により、肺炎球菌肺炎時の好中球によるIFN-gammaの産生にはIntegrin(CD11/18), Src tyrosine kinase, Rac2, NADPH oxidase が必須であることが判明した(図参照)。好中球によるIFN-gamma mRNA 転写と蛋白翻訳は別々に制御されており、この制御にmicroRNAが関与していることが示唆されている。IFN-gamma欠損マウスを使用した解析により、IFN-gammaは肺炎球菌の排除に貢献することが示されたが、この排除機構にIFN-gammaによるneutrophil extracellular traps 産生誘導が関与していることが示唆された。これらの研究の結果からIFN-gammaは獲得免疫だけではなく、初期臍帯防御反応にも重要な役割を担っていることが示唆された。

好中球によるIFN-γ産生のシグナル伝達経路

発表論文

  1. The Proceedings of the American Thoracic Society 2008; 5:362-363.
  2. Am J Respir Crit Care Med 2007; 175: 184-189.
  3. Thorax 2005; 60: 410-413.
  4. J Am Geriatr Soc 2005; 53: 358-9.
  5. Eur J Pharmacol 2005; 509: 201-10.
  6. J Immunol 2004; 172: 1266-72.
  7. Am J Physiol-Lung Cell Mol Physiol 2004; 287: L1042-7.
  8. FEBS Lett 2004; 556: 249-52.
  9. Biochem Biophys Res Commun 2004; 324: 276-80.
  10. Lung Cancer 2004; 43: 371-2.
  11. Biochem Biophys Res Commun 2003; 309: 848-56.
  12. Mol Cell Biol 2002; 22: 8648-58.
  13. Mol Cell Biol 2001; 21: 3807-19.
  14. Mol Cell Biol 2001; 21: 8626-37.
  15. FEBS Lett 2000; 477: 55-61.